栄養失調や栄養過多などの偏った食事、運動不足や過度なストレスなど現代人が抱える日常生活上の習慣が原因で引き起こす疾患のことを総称して「生活習慣病」と呼びます。
アルコールの過剰摂取や喫煙も好ましくない生活習慣とされています。
これらの悪い生活習慣が積み重なると病気の発症のリスクが高まります。
では、「生活習慣病」とはどんな病気なのでしょうか。
おもな疾患として、「高血圧」「糖尿病」「脂質異常症」などが挙げられます。
これらの病気は最初ほとんど自覚症状がないので、知らぬ間に進行し体にダメージを与え続けます。
どれも、すぐに命の危険を伴うような病気ではないですが、気づかずに放置しておけば、将来的に大きな病気に繋がるリスクがとても高いのです。
ここでは、特に「高血圧」の怖さについて詳しく書いてゆきます。
まず、高血圧になる理由は、肥満や運動不足、ストレスなど多くの原因があるのですが、特に塩分の取りすぎは高血圧を引き起こす大きな原因とされています。
それはなぜなのか。
経験のある人も多いと思いますが、塩分を取りすぎると喉が渇いて水分をたくさん摂取します。
これは体内の塩分濃度を下げようとする体の自然な働きです。
そのため体内の水分量が増え、その結果血液中の水分量が増えることになります。
血液の量が増えれば、血液を体内に流し込もうとする力が強く必要になりますから血圧が上がるのです。
高血圧というのは、血管に過度の圧力がかかっている状態です。
太い血管ならその力に耐えられても、毛細血管にその圧力がかかり続けると非常に大きなダメージになり、脳の血管などは破裂しやすくなります。
それが脳出血です。
また、心臓は体中に血液を送り込むために大きくなろうとします。
これが心肥大です。
心肥大になると心臓の機能が落ちて血液を全身に送り込めなくなり、心不全に繋がる可能性もあります。
高血圧は、血管の壁を傷つけたり、動脈が硬くなって動脈硬化を引き起こします。
動脈硬化で血管に厚い壁が出来、血管が細くなることで詰まり血栓ができると脳梗塞や心筋梗塞を発症することもあります。
多少血圧が高いからといって、痛みをともなうものでもないし、すぐに心臓や脳に疾患が出るということではありません。
しかし高血圧が続けばこのように恐ろしい病気に発展することにもなるのです。
現代の日本は食生活の変化やストレス社会によって、3人に1人は高血圧と言われています。
大きな病気になる前に自分の習慣次第で防げる病気もあるので、定期的に血圧測定をするなどの自己管理が大切です。